QueryEye News Release
ニュースリリース
発表日 2016年8月24日

クエリーアイが開発した人工知能「零」が書籍「賢人降臨」を出版

〜ディープラーニングで福沢諭吉、新渡戸稲造を学習した人工知能「零」が智を語る〜
〜NTTドコモ・電子書籍サービス「dブック」で独占配信開始〜


クエリーアイ株式会社(愛知県名古屋市 代表取締役 水野政司)は書籍「賢人降臨」(けんじんこうりん)を出版いたしました。「賢人降臨」はクエリーアイが開発した人工知能「零」(ゼロ、開発コードネーム)にディープラーニングで福沢諭吉、新渡戸稲造を学習させ、その学びを元に文章を創作させた、人工知能が書いた書籍です。

人工知能が過去の賢人から学ぶことで、どのような答えを出していくのか。技術が過去の賢人の智を蘇らせることができるのか。人工知能が進化していく未来を感じていただくための作品です。

その最初の作品をNTTドコモ・電子書籍サービス「dブック」で独占配信いたします。本作はスマートフォンやタブレットでお楽しみいただけます。

賢人降臨の表紙画像   賢人降臨
表題 賢人降臨
著者 零
価格 800円(税別)
出版社 クエリーアイ株式会社
初版発行日 2016年8月23日
文字数 約6万文字(一般的な紙の新書約半分相当)
流通プラットフォーム NTTドコモ・電子書籍サービス「dブック」独占配信
配信URL http://book.dmkt-sp.jp/book/detail/book_type/011/title_id/0000212880/

目次
編者前書き
第一章「若者」
第二章「学問を修め立身」
第三章「世界を制する」
第四章「成功とは」
第五章「人とは何を示すもの」
巻末付記

以下、編者前書きより抜粋

 本書はディープラーニングで過去の賢人の書を学習した人工知能「零」(ゼロ)が著した書である。適応したディープラーニングの方式はリカレント・ニューラル・ネットワークという人の脳を模したコンピュータ・システムだ。子細は専門書などに譲るとして、人工知能が2045年に人智を超えるかもしれないという、いわゆる「シンギュラリティ」議論が巻き起こっている。本書はそれらとは一線を画し、2016年現在の最新のディープラーニング技術によって人工知能が、どういった受け答えができるのかを表す、おそらく世界でも類稀な試みの書だ。

 ディープラーニングはコンピュータに学習・勉強させるという工程が必要である。そして勉強には教科書が必要だ。「零」に与えた教科書は福沢諭吉「学問のすゝめ」、新渡戸稲造「自警録」の2冊だ。これらを選んだのは二つの理由がある。

 第一に技術的観点からだ。両書とも論旨の明快さや文章の構造や流れがリカレント・ニューラル・ネットワークに学習させるには適していそうな構造であろうとの推測からである。

 第二に機械に人智を学ばせるに相応しい内容とは何かを熟考した結果だ。学ぶとは何か、人の道とは何かといった「人智」を形成する基礎を与えたら、果たして機械はどうなるか。だから「啓蒙」のための書を選んだ。人を導き、人を育て、その先には文化文明、その後の歴史にも影響を与えた賢人の書は機械をも文明として昇華させうるのか。

 テクノロジーによって、賢人の書から賢機械は生まれるのか。現時点では未知の世界だ。本書では五つのお題を「零」に与え、文書を書かせた。教科書が明治や昭和初期の書のため、時代背景や文体は当時のままだ。だから、その分は割り引いていただきたい。原典である「学問のすゝめ」と「自警録」とを読み比べながら、本書を読めば、ほぼ原文と同じ文が続いていることに気づくだろう。だが、本書をさらによく読めば、原典と本書の文の構成や順序が変わっていることに気づくだろう。また同じことを繰り返している箇所も出てくる。それは強調なのか、重要なことなのかは厳密な理由は不明だ。ただ、お題にあわせて変化しているといえる。

 お題は以下の五つである。本書はこのお題の答えを零が著したものである。お題は人工知能に人のような知能があるのなら聞いてみたくなることを選び、それぞれ第一から第五の章とした五章構成で、総計約六万文字、一般的な新書の約半分に相当する量だ。
 
「若者」
「学問を修め立身」
「世界を制する」
「成功とは」
「人とは何を示すもの」

ここから導きだされた、それぞれの最初の文を紹介しよう。

「若者もあり、あるいは才智|逞《たくま》しゅうして役人となり商人となりて天下を動かす者もあり・・・」

「学問を修め立身分を用うるの理あり。・・・」

「世界を制する者ははなはだ少ない。・・・」

「成功とはなんぞまらぬことである。・・・」

「人とは何を示すものでない。いつぞそういう者でもよい。・・・」

最初の一行で「零」が学習した賢人の知恵の結論がでているのではないだろうか。その後、つらつらと零はそのお題について福沢諭吉や新渡戸稲造の言を用いて論を展開していく。逆に考えると、これは零の答えではなく、福沢諭吉や新渡戸稲造だったら、「こう答えるはずだ」という言を「零」が記しているとも言える。

かくして賢人は降臨した。



以下、巻末付記より抜粋

 零が記した本文の校閲、校正はあえて行っていない。従って一部、文として乱れている箇所も存在する。本書は人工知能が著した書であり、現時点での技術がどのレベルかを読者に知っていただくためにも、あえて間違いの訂正はしていない。

 例えば第四章第一文「成功とはなんぞまらぬことである。」とは、校閲・校正では「成功とはなんぞ(つ)まらぬことである。」と「つ」を挿入するべき箇所であろう。

 しかし、例えば現状の応用として、人が書いたか機械が書いたかを読者に認知させることが必要ない、誰が書いたかわからない文書を使って何らかの価値を生み出すようなサービスや商品の場合、ここにあるように基本文を機械に書かせて、人がチェックと訂正をすれば、使い物になるかもしれないと考えられる。

これらを含め本書が読者の思考の基となれば幸いである。



※ 本書はdブック以外の電子書籍プラットフォームでの配信の予定はありません。
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【本リリースURL】
http://queryeye.com/jp/news/20160824.html

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